演奏会に向けての言葉(指揮:船本孝宏)

NON管弦楽団指揮者の船本孝宏と申します。
このブログでは昨年に引き続き2度目の執筆です。

この団には創立以来から指導に関わらせていただいております。
最初は少なかったメンバーも少しずつ増え、組織としての体形も
充実してきています。

団長や初期1回目定演メンバーとは特にですが、
共に歩んできた歴史に想いを寄せると感慨深いものがありますし、
その後、数年前、そして今年入団してきた新メンバーともすでに何年もの
付き合いをしてきたような… そんな気持ちを彼ら個々に抱いています。

もともと今よりも少人数から始まっているので、
団員同士も弦、管関係なくコミュニケーションは全体では取れていて
仲は良いと思っています。
僕が他で指揮やレジデンスで作編曲を務めるいくつかの団体を見れば、
団員同士でも名前すら知らなかったり、何年もの付き合いもありながら
全く話したこともない人も多いということも知りました。

NONのこの雰囲気が当たり前だと思っていたのでカルチャーショックでしたが、
逆にNONの良いところとして、再認識できるのではないでしょうか。
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これを書いている今、大型打楽器やハープを交えての練習が終わったところです。
響きもオーケストラらしくなり、今回演奏するアニメ作品の世界が音楽によって
それぞれの思い出と共によみがえるものと楽しみにしております。

今年は主にスタジオジブリの音楽を取り上げるわけですが、
そう、僕と言えばスタジオジブリ!スタジオジブリと言えば僕!←
というぐらいにジブリが大好きなのです(^o^)


ひとつの作品につき最低50回は見ているはずです。
宮崎駿監督や高畑勲監督のアニメ作品の制作現場が「スタジオジブリ」となるのは
後のことですが、ジブリ作品として初めて見たのは『となりのトトロ』でした。

※最初に見たときはサツキ(10歳)よりも年下だったのですが、今では
お父さんの年(公式設定32歳!)を越してしまっているというのも驚きです(;^^)

1988年に上映。
当時小学校2年生でクラスで学校でみんなでビデオを見たのを覚えています。
その時見た印象は「田舎」、「ショートカットのサツキ」、「お化け」、
「大きな木」、「ねこバス」、「大中小のトトロ」、「まいごかわいそう」、
「最初と最後の歌」 ぐらいしかなかったのです(;^^)
まぁ小学生の少年ですので無理もないです(汗)。

舞台が日本なので、特にファンタジーの世界としての魅力を感じたわけではありませんでしたが、その後も放送でみるたびに素敵だなと感じるところがあり、すごく童心に返る思いがしていました。
組曲の「五月の村」、「トトロがいた!」が流れるあたりがそうです。

本日演奏するオーケストラストーリーズ「となりのトトロ」のスコアは、発売からまもなく買ったものでした。
初版は2002年(僕が学生時代の時!)
16年の時を経て、今回指揮者としてこの曲を演奏する機会が得られるとは願ってもないことでした。

さてジブリ作品の出会いについて連ねましたが、僕がジブリで好きなベスト3はこれです!
・『天空の城ラピュタ』
・『魔女の宅急便』
・『耳をすませば』
(順位不動)

『天空の城ラピュタ』は映画上映時期よりも後に知ったのですが、
少年心にメカ、ロボット、島、楽園、冒険活劇には惹かれ ました。
パズーがかっこいい!僕はパズーになりたい!!と、どれだけ思ったかわかりません(^^)
だからってわけではないのですが、空から降ってくるシータを受け止めるシーンや、ラピュタに到着して二人が目が覚めるシーンを(倒れているところから)
再現するひとり遊びもしていたことがありましたね←僕だけでしょうか(;^o^)

『魔女の宅急便』は甲乙つけがたいぐらいに大好きな映画です。
OSTでも大好きな曲が多いですし、ジブリで初めてサウンドトラックを
もっとよく聴きたい!と思ってT●T●YAに借りに行ったのを覚えています。
そして何度キキのように空を飛びたい!と思ったかわかりません!←

僕が学生当時に友達とのお話の中で、
・なぜキキの魔力がなくなってしまったのか?
・空も飛べるようになったのに、なぜジジはしゃべれないままなのか?
という議論もつきませんでした。

ひとりで知らない街に住むことの期待と不安、コリコの街で出会う人々がキキの理解者となって、キキの成長を促してくれるところが魅力だと思います。

ひとりで知らない街に住むことの期待と不安といいますが、これも団員の多くにリンクすることかもしれません。
NONには関西出身ではない団員も多くおられます。
色々な理由で関西に縁があり、知らない地へ来ているわけです。
住み慣れたらなんてことはないのかもしれませんが、期待や不安がそれぞれあったはずです。
団員のとってこのNON管弦楽団も、キキにとってのコリコの街であり、おソノさんの家という存在であればいいですよね。

『耳をすませば』はジブリの中でもDVDの再生回数が多いぐらい大好きな作品です。
よく友人と作中のシーンをセリフ付きで再現したものでした←特に杉村がフラれるシーン。
聖司のバイオリンづくり、雫の小説書き。
僕自身は作曲を専門としますので「ものづくり」というところでは共感できます。

最初に見たのは当時高校生でしたが
その後大学生、20代前半、後半、30代前半、後半(イマココ)と、その時々で
新作を見るかのように印象や感じ方は違っています。

今回演奏する2曲で「丘の町」や「飛ぼう!上昇気流をつかむのだ!」も
OSTの中でも僕 が大好きな曲で、よくぞ取り上げてくれたと思うばかりです。
(けして僕がやりたい!とけしかけたわけではないので念のため)

特に「丘の町」は、耳をすませばのテーマとなるモチ—フがピアノで奏でられます。
使っている楽器は少ない曲ですが、雫の生活する世界、雫のわくわくした心の動きを示している曲です。
シーンを鮮明に覚えているからか、一音一音を大切に捉えたいという想いは人一倍にあると思っていますし、練習時もそのようにしてきたつもりです。
どのようになるかは今から楽しみです。

他の好きなジブリ映画について、今回の演奏曲もたくさん語りたいことはありますが、何倍もの文字数になりそうなのでベスト3のみを中心に連ねさせていただきました。
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今回のジブリ以外のアニメの曲はとてもリズミカルでかっこいい曲が多いです。
打楽器群に注目です!
こういうリズミカルな曲はかっこよく決めたいですが、
こう熱くなり過ぎるとテンポが速くなったり、周りが見えなくなるものです。
本番の指揮者の仕事はそこを制御することに尽きるかもしれません。

指揮者の仕事といいますが、僕が指揮者として本番にやっていることはこれです。

・テンポを決めること。
・「入るところはここですよ」と合図を出すこと。
・息を吸わせること。
・楽しいところは楽しく、やわらかいところはやわらかく、シリアスなところはシリアスに振ること。
・本番中のミスを責めないこと。
(責めることがもしあるならば演奏会が終わってから…)
・指揮棒をふっ飛ばさないこと←(;^^)
・指揮台からコケないこと←(>_<)

最後に、今回は僕の大好きなジブリシリーズやその他の作品の素敵な音楽の数々にこうやって向き合える機会を頂いたNONの団長をはじめ、団員、エキストラ、関係者の皆様にこの場を借りて感謝いたします。

CDとは違い、劇判音楽を演奏する演奏会は生きた人間が奏でることで音楽に命が吹き込まれます。
僕も団員も心を込めて演奏します。
ぜひとも一人でも多くの方に来て頂きたいです!
当日は会場でお待ちしております!o(^▽^)o

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